技術者の名義借り等の不正を防ぐため、雇用期間によって技術者の評価対象が限定されます。技術者の評価対象が「審査基準日(決算日)以前に6ヶ月を超える恒常的雇用関係のある者」に限定されます。
※ただし、高年齢者雇用安定法に基づく継続雇用制度対象者については、雇用期間が限定されていても評価対象になります。
完成工事高の評点テーブルが上方修正され、完工高(X1点)と元請完工高(Z2点)の平均点が上昇します。建設投資の減少に応じ、今年度の建設投資見込額のもとで完工高・元請完工高の平均点が制度設計時の平均点700点となるように評点テーブルを補正します。これにより、全体としてバランスのとれた評価を行うとともに、適切な入札機会を確保します。
具体的には、完工高(X1点)は平均で約12点の上昇、元請完工高(Z2点)は平均で約91点の上昇となります。
債権カット等により地域の下請企業等に多大な負担を強いた再生企業(民事再生企業及び会社更生企業)について、2つの減点措置が創設されます。
※減点措置が適用されるのは、平成23年4月1日以降に民事再生手続開始又は会社更生手続開始の申し立てを行う企業です。
地域防災への備えの観点から、建設機械抵当法第二条に規定する「建設機械」の所有台数に応じて加点評価が行われます。加点評価の対象は災害時に使用される代表的な建設機械(ショベル計掘削機、ブルドーザー、トラクターショベル)です(一台につき1点、最高15点)。
また、1年7ヶ月(経審の有効期間)以上の期間のリース契約を結んでいる場合には、リース機械も所有台数に合算出来ます。
多くの都道府県などが発注者別評価点でISO9001及びISO14001の取得状況を評価しています。そのため、取得状況を経営事項審査の評価項目に追加することで、受発注者双方の事務の重複・負担の軽減を図ります(片方で5点、両方で10点)。
総合評定値に占めるW点のウェイトが突出しないよう、項目追加後のW点の評点(合計200点)が現在のW点(合計175点)の評点から一割程度(15点)の加点にとどまるよう調整します。
項目追加後のW点の合計点に190/200を掛け合わせて評点の一定圧縮を行い、W点ウェイトが大きくなりすぎないようにします。
経営状況分析機関が行う異常値確認のための基準を、倒産企業や処分企業の最新の財務データ等を用いて見直しを行います。
また、一定の基準に該当する申請については直接審査行政庁に情報提供する仕組みが創設されます。
審査行政庁が行う完成工事売上高と技術者数値の異常値検出の相関分析を最新のデータに基づいて基準値を見直します。
また、完工高が極端に大きい申請に加えて、新たに完工高に比べて技術職員数値が極端に高い(技術者の水増しの可能性がある)申請の抽出も開始されるなど、運用が強化されます。
各審査行政庁と経営状況分析機関の連携を強化し、虚偽申請の疑いのある業者に対しては重点審査(証拠書類の追加徴収・原本確認、対面審査、立入等)を行います。
また、経営状況分析部分に係る確認のための調査手順書を改訂します。
※平成23年1月1日以降の申請に係るものから上記の取組が実施されます。